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商標法改正情報(2014年4月7日)

平成26年3月11日に特許法等の一部を改正する法律案が閣議決定されました。
商標法の改正については、①保護対象の拡充と②地域団体商標の主体要件の緩和が予定されています。国会での審議を経て来年には施行される予定です。1.保護対象の拡充
商標法ではこれまで視覚上認識できる静的なものに限り登録を認めてきましたが、今回の改正により、動きのある商標、ホログラム、色彩のみからなる商標、識別標識の位置に特徴のある商標の他、音の商標が保護対象となることが予定されています。
「動き」のある商標(動的商標)は、図形等が時間によって変化する商標で、コンピュータの起動時に流れる映像等が該当します。例.米国登録3241528 「ホログラム」の商標とは、光の反射によって見える図形が異なる商標で、クレジットカードの認証シール(識別力を発揮している場合)が該当します。
例.米国登録2710652

「色彩のみ」からなる商標とは、輪郭のない単一色又は色の組み合わせを識別標識とする商標をいいます。
例.欧州登録9053463

「位置」に特徴のある商標とは、図形等の使用位置を特定した商標で、図形自体ありふれていても使用する位置によって識別標識となる場合を保護するものです。
例.米国登録3195687

「音」の商標とは、音楽、音声、自然音等からなる商標で、ライオンの吠える声やターザンの雄叫び等を広告等の開始時に使用する場合が該当し得ます。
例.欧州登録1772086

その他に「におい、味覚、触覚、店舗外観」等も識別標識になり得ますが、今回の改正では商標法の保護対象には含まれない予定となっています。

保護対象に関する改正案は以下のとおりです。
2条1項本文
「この法律で、「商標」とは、人の知覚によって認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの(以下、「標章」という。)であって、次に掲げるものをいう。」

音の標章の使用は以下となっています。
2条3項9号
「音の標章にあたっては、前各号に掲げるもののほか、商品の譲渡若しくは引渡し又は役務の提供のために音の標章を発する行為」
2条4項2号
「商品、役務の提供の用に供する物又は商品若しくは役務に関する広告に記録媒体が取り付けられている場合(商品、役務の提供の用に供する物又は商品若しくは役務に関する広告自体が記録媒体である場合を含む。)において、当該記録媒体に標章を記録すること」
音以外の新商標については政令で定めることとなっています(同10号)。

新たに保護される商標を出願するにあたっては、詳細な説明を願書に記載し、又は物件(音源データ等)を願書に添付することになります(改正案5条4項)。

2.地域団体商標の主体的要件の緩和
これまで、地域団体商標は法人格を有する事業協同組合等に限られてきましたが、地域ブランドの普及に取り組んでいる者としては商工会、商工会議所、NPO法人も該当するため、これらの者にも地域団体商標の主体として認めるようする予定です。

法律の施行は来年になると予想されていますので、新商標について保護を受けたいと考えている場合にはお早めにご相談ください。

(原稿作成日 平成26年4月7日)

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