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キャラクターの著作権法上の取扱いについて

【キャラクターとは】
 キャラクターとは、小説・映画・演劇・漫画などの登場人物、その役柄をいいます(広辞苑第六版)。小説や漫画に具体的に表現されたものではなく、それら具体的表現の総体から創り上げられるイメージがキャラクターといえます。しかしながら、著作権法上は、イメージとしてのキャラクターが具体的表現を離れて独立した著作物として保護されるものではありません(ポパイネクタイ事件、最判平9.7.17)。保護されるのはキャラクターの具体的描写である、小説の具体的な文章、漫画の具体的な絵等です。

【漫画のキャラクター】
 漫画について言えば、具体的に表現された絵を無断利用すれば、漫画の著作物(美術の著作物)の複製権侵害となります。一話完結型の連載漫画においては、著作権の侵害は各完結した漫画それぞれについて成立するものであり、著作権の侵害があるというためには、連載漫画中のどの回の、どのコマの絵に依拠したかを立証しなければならないということになります(同上ポパイネクタイ事件)。しかしながら、複製権侵害を判断するに当たっては、誰が見てもそこに漫画の登場人物(例えば「サザエさん」)が表現されていると感得されるようなものであれば、どの回の、どのコマの絵を複製したものであるかを特定する必要はないと考えられます(サザエさん事件、東京地判昭51.5.26、わが国で漫画のキャラクターについて著作権侵害が問題となった最初の事例)。

【連載漫画の場合】
 新聞掲載の四コマ漫画や一話完結型の連載漫画は逐次公表著作物(56条:逐次公表著作物の公表の時は最終部分の公表の時)ではないと解されているので、無名又は変名の著作物、団体名義の著作物については、著作権の権利期間の終期が問題となる場合があります。そこで以下のように考えられております。
 後続の漫画は、先行する漫画を翻案したものということができるので、先行する漫画を原著作物とする二次的著作物と解されます。そして、二次的著作物の著作権は、二次的著作物において新たに付与された創作的部分のみについて生じ、原著作物と共通しその実質を同じくする部分には生じないと解されます。著作権の保護期間は、各著作物ごとにそれぞれ独立して進行するものではありますが、後続の漫画に登場する人物が、先行する漫画に登場する人物と同一と認められる限り、当該登場人物については、最初に掲載された漫画の著作権の保護期間によるベきものであって、その保護期間が満了して著作権が消滅した場合には、後続の漫画の著作権の保護期間がいまだ満了していないとしても、もはや著作権を主張することができないとされています(同上ポパイネクタイ事件)。

【著作権侵害が認められる基準】
 他人の創作したキャラクターと類似点がある場合、著作権(複製権又は翻案権)侵害が認められるかは、他人の著作物における表現形式上の本質的な特徴を直接感得できるか(目覚め事件、東京地判平5.8.30、他)、などの基準により判断されます。同一性又は類似性があっても、アイデアが共通するにすぎない場合、ありふれていて創作性が認められない部分の類似性にすぎない場合は、著作権侵害は否定されます。侵害が否定された事例として以下があります。

■タウンページ・キャラクター事件(東京地判平11.12.21、東京高判平12.5.30控訴棄却)
 「X漫画のキャラクターとY漫画のキャラクターは、本を擬人化したという点では共通しているが、それ自体はアイデアであって、著作権法で保護されるものではない。」として、被告の作成したタウンページ・キャラクターの図柄について、原告作成のキャラクターの著作権侵害が否定された。


■博士イラスト事件(東京地判平20.7.4、控訴審で和解)
 幼児向けの教育用DVD商品に登場するキャラクターについて、原告絵柄と被告絵柄との共通点として挙げられている具体的表現は、「きわめてありふれたもので表現上の創作性があるということはできず、両者は表現でないアイデアあるいは表現上の創作性が認められない部分において同一性を有するにすぎない」として著作権侵害が否定された。(キャラクターの酷似度からみると疑問がある。)


キャラクターの表現としてありふれていない創作性がある部分について模倣されたかが問題となります。

【商品化権】
 キャラクターを人形等の商品に使用する権利は「商品化権」といわれますが、著作権のみではなく、商標権、意匠権、あるいは不正競争防止法上の保護による、複合的な権利と考えられます。著作権法上は著作権者から複製権あるいは翻案権について許諾を得ることになります。
 キャラクターの名前については、著作物ではないと考えられていますが、当該商品について商標登録すれば商標法上保護され、一般に知られたキャラクター名であれば不正競争防止法により保護される可能性があります。(なお、キャラクターの図柄あるいは立体形状を商標として使用する場合には平面商標あるいは立体商標として商標登録しておく必要があります。新規性があれば、人形、Tシャツ、といった物品毎に意匠登録することも考えられます。)

 昨今、「ゆるキャラ」ブームで各地に様々なご当地キャラクターが登場しており、イベントの開催や、ケータイストラップ・Tシャツなどの土産物の販売によって地域活性化に貢献しています。しかしながら、彦根市の「ひこにゃん」のように、著作権者(及び商標権者)たる地方自治体と、キャラクターのデザイナー(著作者)の間で、デザイナーの類似キャラクターの使用について著作権侵害、一方で著作権者によるキャラクターの改変使用について著作者の同一性保持権侵害、と双方が主張することによる紛争が起きているケースがあります。著作者から著作権を譲り受ける際には、著作者からキャラクターの改変について明示の同意を得ておく必要があります。

参考)「ひこにゃん」商標登録第5104692号(権利者:彦根市)



 キャラクターが有名になって顧客吸引力を持つに至った場合には、パブリシティ権と捉えることもできます。(→パブリシティ権)
 また、キャラクターのパロディについては、翻案権侵害、同一性保持権侵害の問題となり得ます。(→パロディ)

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