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複製権と翻案権とはどのようなものか

複製権とは、著作物を複製する権利をいい、著作権者に認められた著作権の支分権の一つです。また、翻案権とは、著作物を翻訳、編曲、変形、脚色等をする権利で、複製権と同様に著作権の代表的な支分権の一つです。自分が撮影した写真を他人に利用させる場合や、自分が書いた小説を映画化したり、翻訳して外国で出版する場合に著作者は経済的利益を受けることができます。これを法的に整理するのが複製権であり、翻案権なのです。
著作権はコピーライト(copyright)と言われますが、複製権はこれを端的に示すもので、著作権の歴史の中で古くから著作権者に認められた権利です。また、翻案権は複製権と共に頻繁に登場します。

(複製権について)
著作権法では複製について定義していますが(2条1項15号)、端的に言いますと、有形的に再製することを言います。無形的に再製する場合は、上演権、演奏権、口述権等に該当することになります。
最高裁の判決では、「既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるものを再製すること」と言っています(最高裁昭和50年(オ)第324号同53年9月7日第一小法廷判決・民集32巻6号1145頁参照)。ここにいう再製とは、既存の著作物と同一性のあるものを作成することをいいますので、複製に該当するには依拠性と同一性が必要になります。同一性は完全に同一である場合のみならず、実質的同一である場合も該当します。従いまして、音楽の数小節だけ他人の著作物を利用したとしてもそこの部分に創作的表現がある場合には、複製に該当する可能性が高いのです。なお、同一性の範囲は、翻案権において幅が存在しているため、その範囲を議論することは余り実益がありません。
依拠性は既存の著作物を知っていたかという要件で、特に著作権侵害の行為者の問題として議論されます。
複製は、今日のインターネット社会において、PC内での一時保存やリンク等で問題となることがあります。例えば、過去に閲覧したウェブサイトを再度閲覧する場合、PC内のキャッシュに保存されていることにより素早くサイトを閲覧できることになります。この点、PC内での一時保存については法改正により、侵害ではないと規定されました。他方、リンクについては、サイト上で無断リンク禁止とされている場合がありますが、これは複製行為が伴わないので、複製権の侵害問題は生じず、リンク元のサイト運営者の希望的発言と捉えられています。

(翻案権について)
複製権は著作物をそのままの形で利用するものですが、翻案権は著作物を用いて新たな著作物を創作する権利です。この翻案権に基づいて創作された著作物を二次的著作物といいます(2条1項11号)。翻案権の範疇なのか新たな著作物なのかの判断は非常に難しく、裁判でもこの点について争われます。この点、裁判所では「既存の著作物に依拠して創作された著作物が,思想,感情若しくはアイデア,事実若しくは事件など表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分において,既存の著作物と同一性を有するにすぎない場合には,翻案には当たらないと解するのが相当である。」と判断しています(江差追分事件 最判平13.6.28民集55.4.837、判時1754.144)。つまり、既存の著作物に依拠した上で新たな創作がある場合には翻案となり、それが無い場合には複製となるのです。
翻案権を考える場合、同一性保持権との関係を整理する必要があります。なぜなら、他人に翻案権を譲渡した場合、譲受人は、翻案するにあたり、著作者に帰属している同一性保持権を侵害することになってしまうためです。この場合、同一性保持権はやむを得ない改変として権利行使の制限を受ける(20条2項4号)という考え方が妥当するようです。

(パロディと翻案権について)
別問参照

(商品化権と翻案権について)
アニメのキャラクターをグッズにする場合も、翻案権又は複製権により守られますので、無断で行うことは認められません。

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